2012年11月2日金曜日

歌津管の浜の話-その1

 あれはたしか、春から夏に移ろい、東北もそろそろ暑くなってきたころ。

 RQWの現地コーディネーターkyonちゃんが「歌津の床屋さんがねえ、いいんだよね、いい人でさあ。建物を地域のみなさんの為にどういかせるかなって考えてるだよねー、RQWで何かできないかなー、ほんと、いいんだよね」という話があり。
(ちなみにkyonはFORTUNE宮城編集長でもあります→http://www.fortune-miyagi.com/)

 歌津の床屋さん??? 登米や気仙沼でのプロジェクトで忙殺されていたそのころのRQWメンバーたちの頭の中になかなか浸透しなかった案件でしたが、kyonちゃんがそこまで言うのならと直接お伺いしたところ、みんな、♥をわしづかみされてしまったのでした。

「すごい、この場所には何かある」



 南三陸町歌津、管の浜。伊里前商店街と、平成の森のちょうど中間にあたる浜。津波の前には、商店、飲食店、そして普通の人たちのにぎやかな日々があった場所でした。その浜で、屋根まで波につかりながらも、なんとか建物が持ちこたえ、たった2軒残った家のうちのひとつの持ち主がユキエさんです。

 家の建物が残っても、浸水地域(商業地域としてはOK、でも居住には適さない)との査定がおり、集落が消えた今となっては防犯の意味でも居住には難しい状態。いろいろ考えて、まずは「ヘアサロン どれっしんぐ」を初夏にオープンしました(理美容店で長く働いておられ、資格・技術もお持ちです)。また、顔そりもできるブライダルエステサロンとして業務拡大予定。それだけでも大変なのに、

 「自分も今、仮設に住んでるけど、狭くて前みたいに友達で集まれない人多いんですよ。『この場所貸して』って人たちいるから、どうぞどうぞって言ってんだけど。みんな、飲み物や、維持費やなんかいろいろお金かかるでしょ、ただで使うの申し訳ないからお店にしなよって言ってくれるんです。でも、自分しかいないからちゃんと喫茶店みたいにお店できなくて、一回試したけど手が回らなくて。どうしたら一番いいのかなって………。」

 というのが、ユキエさんが頭をかかえておられている理由でした。
 どうしたら一番いいんだろうって、そのころから相談を始めました。

 それから夏本番。
 RQ市民災害救援センターとしてボランティアセンターにしていた登米市米川の旧鱒淵小学校の倉庫部屋を空けてほしいとのことで、急遽どれっしんぐさんの2階をRQWの倉庫としてお借りすることにしました。搬入日の写真、ヒドいですね。



 さらにその後、ほんとうにたまたま、
 「地元の方々が、地域コミュニティ作り、まちづくりにがんばっていらっしゃる場合、役立てていただけるミニ・ファンドがあるんですよ、もしかしてそういう動きをご存知ないですか?」ってお話がありました。

 あれ???
 これって、ユキエさんの望んでいたことと、ぴったりじゃないですか???

ブログ、つづきます。

しお

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