2012年9月7日金曜日

ダンボールで裂き織りコースター

 裂き織りって知っていますか? 布が貴重だった時代には、痛んだ着物は最後には細く裂いて糸にし、ふたたび織物にしていました。東北の農村でもかつてはよく作られていたもの。いまは、工芸品として、素敵なバッグやインテリアに生まれ変わっています。ファイバーリサイクルの究極系ですね。

 RQWが、お楽しみ講座の展開でコミュニティ作り支援活動をしていると知ってくださった唐桑の小原木公民館の方から、「簡単に取り組めて、ちょっと面白い手工芸はないでしょうか」と、お話が来たのが7月。それから相談を重ねて、ダンボールで作る簡単裂き織りをやってみましょうということになりました。

2回セットで、道具もゼロから自分たちで作ります。
初回は8月23日。



 ダンボールにカッターで切り目を入れて、割り箸を使ってこんな風にすると……織り機のようでしょう! 緯(よこ)糸を通す杼(ひ)も割り箸で作りました。



 こうして織りはじめたあたりから、「そういえばうちにも昔、機織り機があった」「ばあさまが織っていた」なんてお話が次々飛び出してきました。そう、ここ唐桑は「桑」というだけあって、かつては養蚕と絹織物も盛んだったところ。御本家ではだいたいお蚕様を飼っていたものだそうです。

 今回は小さなコースターを作りましたが、だんだん手が慣れて上手に織れるようになれば、もっと細い緯糸で繊細なものを織ったり、小さいパーツを縫い合わせてパッチワークのようにしたり、大きなダンボールでマットを織ったり、冬になったら毛糸を織ってもいいわけですし、みなさんも話をしながら夢を膨らませてくださったみたい。
「うちのお父さん大工だから、木で織り機を作ってもらおうかな」ってお母さんもいらっしゃいました。

 講座修了後に、公民館の熊谷さんからいろいろと示唆に富むお話をうかがいました。地域は日常に戻ろうとする段階であるのに、震災で生まれた地域のひずみやわだかまりはなかなか元にはもどらないこと。あらたな地域コミュニティの為に「公民館」が果たせる役割は小さくないということ。唐桑愛と熱意にあふれた、すばらしい女性と出会えて感激しました、つないでくださった「えがおのたね」さんありがとうございました。

しお






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